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スポーツ少年に多い腰椎分離症、保存治療で骨は治るのか?
【腰椎分離症とは?原因と症状を解説】
子どもや若いアスリートに多い「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」という病気をご存じでしょうか?これは、腰の骨の一部が疲労骨折を起こす状態で、特に野球やサッカー、バスケットボールなど、腰を頻繁に反らせるスポーツをする子どもに多く見られます。
初期段階では、MRI(磁気共鳴画像)で脊椎の異常な信号が確認できます。この段階で適切な治療を行えば、骨の癒合(ゆごう:骨がくっつくこと)が期待できます。しかし、放置すると骨がくっつかず、将来的に腰の痛みが慢性化するリスクがあります。
【保存治療で骨はくっつくのか?研究データを紹介】
腰椎分離症は早期に発見すれば、手術をせずに「保存治療」で治すことができます。保存治療とは、スポーツ活動を一時的に休止し、装具(コルセット)を使いながら骨の自然治癒を促す方法です。
最新の研究では、保存治療による骨癒合率は81.9%と、高い治療効果が確認されました。ただし、分離症の進行具合によって治癒率が異なり、「ごく初期」では98.2%の骨癒合が得られるのに対し、「進行期」では64.3%に低下することが分かっています。つまり、早期発見・早期治療が非常に重要なのです。
また、治療期間も症状の進行具合によって異なります。
- ごく初期のケース:平均39.1日
- 早期のケース:平均51.2日
- 進行期のケース:平均71.0日 と、病気が進むほど治療期間が長引く傾向がありました。
【再発を防ぐために大切なこと】
研究では、骨癒合が確認された患者の16.6%に再発が見られました。これは、骨が治ったあとにスポーツを再開した際、負荷がかかりすぎることで再びストレスが加わるためと考えられます。
再発を防ぐためには、以下のポイントを守ることが大切です。
- スポーツ復帰は医師の指導のもとで行う
- 体幹トレーニングを取り入れ、腰にかかる負担を減らす
- 無理な動作や過度な練習を避け、徐々に運動量を増やす
また、進行した分離症や再発を繰り返す場合には、手術が必要になることもあります。腰痛が長引く場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
腰椎分離症は、特にスポーツをする子どもに多い病気ですが、早期発見・適切な治療を行えば、約8割のケースで手術せずに治すことができます。しかし、症状が進むと治療期間が長くなり、治癒率も低下するため、「腰が痛い」と感じたら早めに病院を受診することが大切です。
また、再発を防ぐためには、スポーツ復帰のタイミングを慎重に判断し、適切なリハビリを行うことが重要です。スポーツを長く続けるためにも、しっかりと対策をとりましょう。
引用文献
- Kuroshima K, Miyazaki S, Hiranaka Y, et al. Rate and Duration of Bone Union for Conservative Treatment in Pediatric Lumbar Spondylolysis. Spine. 2024;49(15):1085-1091.
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